Devil made devil and devil…
悪魔と遊べば悪魔になる、という言葉に聞き覚えはあるでしょうか?
昨今のメディア戦略か何かが影響してか、ハロウィンが日本にも定着していますが、記憶に残る話題として無視できないのが渋谷軽トラひっくり返し事件。
関与した人間は逮捕されたらしいですが、まるで悪魔の悪戯のような事件でした。なんだか民族性が見える話なので取り上げて行きましょうか。
ハロウィンは主に欧米文化の中でもアメリカの色が強いですね。
Trick or treat(お菓子をくれないと悪さをするぞ)という挨拶が非常にわかりやすい、ある意味シンボリックな表題になっていますが、日本においてはあまり関係がなくなっています。
目に見える活動(本来は地域振興の意味合いがあったはず)は大人が仮装をして、ひたすらにお酒を飲むようになってしまっていますが、調べたところでは日本のお盆のような認識があり、あの世に逝ってしまった人たちの魂が帰ってくるという言い伝えから派生したそうです。
乗じて、悪い魔物たちが現れては
「Treat me, or we’ll trick you(もてなせ、さもなければ悪事を働くぞ)」
と脅迫的な文言であたりをさまよい、どうしたものかと考えた末にお菓子をあげてお引き取り願うという形になったそうです。
お菓子でおとなしくなってしまうあたり、なんだかあまりこわくなさそうな、というよりとてもかわいらしい魔物(言われた人たちがお菓子を以って納得してもらえると思えるほど)だったのでしょうね。
その時の文言が簡略化されて「Trick or Treat!」という言い回しになったと考えられます。
調べればそのような微笑ましい印象が浮かんでくるわけですが、渋谷で起きた事件がいかに衝撃的だったのか感じられるのではないでしょうか?
ハロウィンに便乗して“仮装をした一般人”が軽量トラックをひっくり返すという暴挙に出たのだから衝撃(笑撃と言っても決して過言ではない)的だったのだろう、世界中の一部のメディアで報道されたのはささやかな事実なわけでして。
今時の魔物(見たことはないけれども)でさえおののくような事件に発展してしまいました。
渋谷に現れた魔物はお菓子などでは引き下がらなかったのでしょう、流石の警察も逮捕に至る顛末となってしまいました。
この日本のハロウィンに便乗した魔物たちは、以前から街の人たちの頭を悩ませる悪さをしていたのです。
翌日には街中、お祭り騒ぎの後のゴミが散乱しているという、これまたなんとも情けない悪さをして帰って行くそうで。もはや子供達がお化けの格好をしてお菓子を貰って練り歩くという近代的な姿が消えてしまっています。
日本人がお祭り好きで積極的に海外の習わしを模倣することは非常に喜ばしいことなのですが、経過事実を見ると少なくとも美しいとは言えません。
もとより逮捕されるまでの破天荒に至るのは感心できませんし。せっかくのかわいらしい起源があるお祭りですからね。
あくまでも我々が魔物をなだめるためだった、という事を忘れずに、本当の魔物にとって居心地が悪くなってしまうようなキレイなお祭りになった方が良いですよね?
悪魔でも呆れてしまうような魔物になってしまわないように、日本人としておもてなし(treat)の民族性で楽しんでくださいね。
さもないと「悪魔と遊べば悪魔になる(Devil made devil and devil)」なんてことになってしまうかも……。